戻る
次のページ
ドラマＣＤみたいなもの−その６ Ｐ５
しつこく放課後、ゲームセンターにて。
瑠羽奈 「んじゃ、次は沙夜ちゃんね。 あたしがトップで、神瞳かりんがビリになるゲームを選んでね」
瑞希 「‥‥ここまで、自己中心的に言われると、逆に清々しいね‥」
かりん 「‥‥そうですか？ 私としては、少し複雑な気分ですが‥」
沙夜 「う、うんと‥‥そう言われても‥。
それより、誰が勝てるか分からなくて、みんなが楽しめるモノが良いよね？ ‥じゃあ、あれにします」
瑠羽奈 「あれ‥‥って、なによあれ？ あたし、あんなゲームやったことないよ」
静乃 「ああ、あれは、占いゲームですね。 今週の運勢とか、ラッキーアイテムとかが占えるんでしたよね」
沙夜 「うん、そうそう。 あれで、今週の運勢が一番良かった人がトップってコトでどうですか？」
瑠羽奈 「どうですか‥って、順位が別れるホド、運勢って一杯あるの？
優・良・可‥とか、三つくらいしか、無いんじゃないの？」
瑞希 「‥‥古い通知票みたいな運勢だね、それって」
沙夜 「それが、一杯あるんですよ。 極吉、大吉、中吉、小吉、吉、凶、小凶、中凶、大凶、極凶‥‥の、１０段階があるんです。
これだけあれば、みんな別の運勢になりますよ。 きっと」
瑠羽奈 「‥１０種類もあんの？ ‥‥‥てか、小凶とか中凶ってのは初めて聞いたけど‥‥。
悪い運勢を、そんなに細かく分けるコトもないでしょうに‥」
唯芽 「私は、極吉とかも聞いたコトないですけどね。 すご〜い、運勢が良いってコトなんでしょうか？」
沙夜 「うん。 極ってのは、滅多に出ない運勢なんだって。
でも、もっとレアな運勢も隠れてるから、楽しみも倍増なの。 ドキドキしちゃうよ？」
瑞希 「‥‥レアな‥‥‥運勢？」
静乃 「あ〜、はいはい。 私も聞いたことあります。 隠れ運勢の、『死凶』ですね？」
瑠羽奈 「‥‥し、死凶？ ま、また、ズイブン物騒な運勢ねぇ」
沙夜 「はい、物騒なんです。
なんでも、それが出ると一週間以内に死んでしまうと言う、究極の凶だそうです。 あたしはまだ、見た事ないんですけどね」
瑞希 「‥‥それは分かるよ。 見たコトあるなら、笑顔でココには来れないと思うから‥」
かりん 「‥‥‥確かに、ドキドキしそうな占い‥ですね。
‥あまり体験したいと思うドキドキでは、ないようにも思えますが‥‥」
瑠羽奈 「‥てか、なによ。 その都市伝説みたいな占いは‥。
『恐怖・死んじゃう占い』とか、題名がつきそうじゃない」
静乃 「はい。 私は、そんな感じで聞きましたよ。
遊び半分で占ったら、死凶が出ちゃった人の怪談話。 ‥‥聞きたいですか？」
瑠羽奈 「‥‥遠慮しとく。 ‥って、沙夜ちゃん。 ホントにコレで対決するの？」
沙夜 「はい。 占いって、楽しいじゃないですか」
瑠羽奈 「そ、そりゃまあ、楽しい占いもあるでしょうけど。
‥でも画面に、『貴方は今週死にます』‥‥って、出てくるよ〜な占いってどうよ？」
沙夜 「あっ、心配いりませんよ。 占い結果が出るのは、画面じゃなくて、プリントされた紙にですから」
瑠羽奈 「‥‥いや、問題は、ドコに表示されるかってコトじゃないんだけどね‥」
静乃 「かえって、結果が手元に残る方がイヤな気がしますね、私は‥」
沙夜 「じゃあまずは、言い出しっぺの、あたしからでしたよね？ それじゃ、占って来ます〜」
瑠羽奈 「あっ！ ‥‥って、行っちゃったか‥‥。
しゃ〜ない。 沙夜ちゃんもノリノリだし、今回はアレにしよっか」
唯芽 「でもでも、死んじゃう凶が出たら怖いですね‥。 そんなのが出たら、私‥‥怖くて、夜も眠れません‥」
瑞希 「‥‥逆に、寝ないでいた方が、残りの一週間を、有意義に過ごせるかもよ？」
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
占いゲームの前にて。
瑠羽奈 「さて、みんな占い終わったコトだし、結果発表しようか。
‥‥って、その前に‥‥‥誰か死凶って出たの？」
沙夜 「いいえ。 ザンネンながら、誰もいなかったそうですよ」
唯芽 「‥ざ、ザンネンなんですかぁ？」
静乃 「ほら。 見たことない運勢だから、一度見てみたいんじゃないのかな？ ‥私も、チョット見たいし」
瑞希 「‥‥一番、危なそうな神瞳さんも出なかったみたいだし‥‥みんな、大丈夫」
かりん 「‥‥わ、私‥今週、死ぬかも知れないと思われてたんですか？」
瑠羽奈 「そっ。 誰もいなかったなら良かったってコトで、結果を一人ずつ発表しよっか。
じゃ、まずはあたしからね。 えっと‥‥‥。
今週の運勢：『中凶』 今週は、あまり良い事がありません。 目立つ行動はタブー。 こぢんまりと過ごしましょう。
今週の注意点：水難の相が出ています。 プールなどに行かれる方は、要注意。
頭に何か巻いたままの水に入ると、まず間違いなく溺れますので、注意が必要です。
ただ、溺れるコトで生まれる縁もあるので、どちらを選ぶのかは貴方次第。 愛が育まれるかも？
ラッキーアイテムは、角材。 意中の人と一緒に運ぶのが吉です。
アンラッキーアイテムは、お守り。 恋路の邪魔になるかも？
‥‥‥‥って、なによ、この占いは‥‥」
沙夜 「中凶でしたか‥ザンネンでしたね。
でも、縁が生まれるって運勢ですから、良いこともありそうじゃないですか」
静乃 「縁が生まれるには、溺れないとダメみたいですけど‥‥命がけの縁ですね」
瑞希 「‥‥それよりも、ラッキーアイテムが角材ってのは、初めて聞いたかも‥‥」
かりん 「そ、そうですね。 あまり運勢で、角材と言う文字は見た事がありませんね」
瑠羽奈 「‥‥にしても、頭に何か巻いたままって泳ぐなって‥‥‥‥大きな、お世話よ！！
てか、あたししか、頭に巻いてるのっていないじゃない！！ 誰かがドッカで見ながら、書いてんじゃないでしょうね、コレ！！」
瑞希 「‥‥そんな事ないよ。 桃太郎さんも、頭に巻いてるから‥‥」
瑠羽奈 「あんなのと一緒にすんなぁ！！！」
沙夜 「ま、まあまあ‥‥暴れないでクダサイ。
目立つとマズイみたいですし‥‥こぢんまりとしてた方が良いですよ？」
瑠羽奈 「それも、でっかいお世話よ！！」
かりん 「なんだか、楽しそうな占いですね。 では、次は私が読みます。 ええと‥‥。
今週の運勢：『大吉』 恋愛運がパッチリついてます。 もしかしたら、意中の人から告白されるかも？
人工呼吸が、愛を運びます。 もし、そんなチャンスがあったら、躊躇わない事。 躊躇すると、邪魔が入りそうです。
今週の注意点：命の危険と共にある週です。 ほんの些細な失敗が、死を招く結果になるかも？ 注意して下さい。
特に、顔を隠した人は要注意。 あまり、関わり合いを持たない事！
ラッキーアイテムは、槍。 常に持ち歩いて下さい。
アンラッキーアイテムは、クッキー。 破壊力バツグンです。
‥‥‥っと、こんな運勢が出ました」
沙夜 「すごい、大吉じゃない！ あたしだって滅多に出たことないのに、神瞳さんスゴイね？」
瑞希 「‥‥命の危険と、隣り合わせの大吉みたいだけどね‥‥」
かりん 「命の危険は、騎士として生きている限り、当然付きまとう物ですから、気にはしませんが‥‥。
‥そ、それよりも、意中の人からの告白？ ‥‥し、しかも、人工呼吸だなんて‥‥。 そ、そんな‥ど、どうしましょう？」
沙夜 「ふふっ。 良かったね、神瞳さん」
唯芽 「でもでも、アンラッキーアイテムが、クッキーなんですか？ ‥‥しかも、破壊力バツグン？」
瑞希 「‥‥うん。 タブン、唯芽ちゃんのトールハンマーよりも、破壊力あると思うよ‥」
唯芽 「く、くっきーがですかぁ！？ ‥ば、爆薬でも中に入ってて、お腹の中で、爆発するんですかぁ！？」
瑞希 「‥‥似たようなモノかな？
ある意味、爆発と例えるコトも出来るかも‥‥神瞳さんのクッキーは‥‥」
かりん 「‥あうぅ‥‥‥」
静乃 「‥‥でも確か、さっきの占いでは、瑠羽奈さんが溺れて、愛がはぐくまれるって‥‥。
そして、今回のかりん先輩の占いでは、人工呼吸が愛を運ぶ‥‥‥こ、これってもしかして？」
唯芽 「ああ！！ も、もしかして、お二人の意中の人って、お互い同士なんですかぁ！！？？」
瑠羽奈 「チガウわよ！！！」
かりん 「違います！！！」
瑞希 「‥‥二人とも、息はピッタリなんだけどね。 じゃあ、次は私が‥‥。
今週の運勢：『吉』 今週は勝負の週。 かつての恋人とヨリを戻すなら、今週が勝負！
その場合、押すのではなく、引くこと。 相手が興味を持ち出したら、さり気なく引く。
そんな、恋の駆け引きを駆使すれば、上手く行くこと請け合いです。
今週の注意点：言動に注意！ キツイ言葉は、相手の思考をシャットダウンしてしまうかも？
ラッキーアイテムは、ジオラマ。 みんなで一緒に作りましょう。 恋の成就に一役買います。
アンラッキーアイテムは、水晶。 手元に残さない様に。
‥‥‥こんな感じ」
沙夜 「吉なんだ。 でも、中庸が一番良いって言うからね。
それに、恋愛運が良さそうじゃない。 良かったね、春日さん」
瑞希 「‥‥うん。 そうかもね」
かりん 「‥‥ですが、昔の恋人と、ヨリを戻すとなると‥‥‥あれ？
‥先ほどの私の占いは、意中の人から告白される、でしたのに‥‥‥あれ？ ‥‥あれ？ ‥‥‥あれれ？」
沙夜 「‥ん？ どうしたの、神瞳さん」
かりん 「‥‥い、いえ‥‥瑞希さんの占いと、私の占いで、少し食い違う点が‥‥。
‥‥‥‥‥‥も、もしかして牧村さんは‥‥‥ハーレムエンドを狙っているのでしょうか？」
沙夜 「‥は、はーれむ？
‥‥よ、良くは分からないけど、占いって言うのは、未来の可能性を現したモノだから。
二人の占いが食い違ってるなら、ドッチかが占い通りに行くか‥あるいは、ドッチも外れるってコトかな？ それは運‥‥まさに運勢だね」
瑠羽奈 「まあ、当たるも八卦、当たらぬも八卦ってコトね。
占いに振り回されずに、参考程度にとっときゃいいのよ」
沙夜 「あっ、そう。 まさにその通りですよ、瑠羽奈さん。 たまには、良いコト言いますね」
瑠羽奈 「‥タマには‥は、余計だっての」
唯芽 「あのあの。 ところで、ジオラマってなんですかぁ？」
瑞希 「‥‥本物ソックリに作る、建物の模型‥かな？」
唯芽 「へぇ〜、そうなんですかぁ。
じゃあ、それをみんなで作ると、昔の恋人とヨリが戻せるってコトなんですね？」
瑞希 「‥‥占い通りならね‥」
沙夜 「‥‥‥‥‥‥‥‥」
かりん 「‥‥‥‥‥‥‥‥」
瑠羽奈 「‥‥‥‥‥‥‥‥」
静乃 「‥‥‥‥‥‥‥‥」
瑞希 「‥‥‥そこの人達‥‥もしかして、ジオラマを作る時は、手伝わない様にしよう‥とか考えてる？」
かりん 「そ、そんな事はありません！
‥で、ですが私は、あ、あまり手先が器用ではありませんので‥。
で、ですから、ジオラマを作る時に呼ばれても、お力になれないかなぁ‥‥なんて、思ったりしただけで‥」
瑞希 「‥‥やっぱり、手伝わない気マンマン‥」
沙夜 「そ、そんな事ないよ！ み、みんな手伝ってくれるよ。 ‥‥‥‥‥た、タブン‥‥」
静乃 「そ、そうですよ、春日先輩。 やだなぁ、もう。 あ、あはははは‥‥。 そ、それじゃ、次は私の番ですね？
今週の運勢：『中吉』 今週は、あなたが密かに想いを寄せている人と急接近！ 積極的にアピールしていきましょう。
花火や同じ部活に誘うのが吉です。
今週の注意点：貴方に想いを寄せる人が現れます。 そっちをキープするか、あくまで本命を狙うかは、貴方しだい。
本命を狙う場合、数々の困難が待ち受けているでしょう。
キープの方で妥協する場合は、相手に特殊な趣味がないか、確かめた方が良いかも知れません。
ラッキーアイテムは、お守り。 プレゼントにどうぞ。
アンラッキーアイテムは、刀。 人前で振り回すのは止めましょう。 好きな人に嫌われるかも？
‥‥こんなトコですね」
瑠羽奈 「まあ、順当な結果じゃないの？ 静乃ちゃんっぽい、占いが出たじゃない」
瑞希 「‥‥刀を振り回さないように‥‥って言うのも、静乃ちゃんっぽいの？」
唯芽 「ある意味、静乃ちゃんぽいですね、それって。
この学校で、イチバン刃物を振り回していそうな生徒は？ ‥って、風紀委員が実行した校内アンケートでは、１位の私に次ぐ２位の座は、常に静乃ちゃんですから」
静乃 「‥そ、そんなアンケートがあったの？
で、でも、なんで私が２位なんだろう？ 唯芽ちゃんみたいに、学校で包丁を振り回してるワケでもないのに‥」
沙夜 「‥もしかしてだけど‥‥静乃ちゃん、誰かにお祓いとかしてあげなかった？
ほら、学校のお友達とかに‥」
静乃 「あっ、はい。 よく分かりましたね。
お友達になった人にはもれなく、私の家の神社で、お祓いをしてあげてます」
沙夜 「‥‥‥そ、そう‥‥‥やっぱりね‥」
瑞希 「‥‥ちなみに、神瞳さんはランクインしてないの？」
唯芽 「あっ、はい。
でも、お師匠さまは、『校内・鈍器を振り回してそうな生徒』のアンケートの方で、いつも桃太郎と１位の座を争ってますよ」
沙夜 「‥そ、そんなに細かく分類されてるの？」
唯芽 「はい、他にも色々ありますよ。
例えば‥‥『頭が蒸れてそうな生徒』ランキングでは、瑠羽奈さんが常に上位に入ってますし」
瑠羽奈 「だから、でっかいお世話だっての！！ 人の頭が蒸れてて、なんか迷惑かけた！！？？」
瑞希 「‥‥やっぱり、蒸れてはいるんだ‥‥」
瑠羽奈 「蒸れてもないの！！！」
沙夜 「‥ま、まあまあ、落ち着いて‥‥。 ほ、ほら、こぢんまりと‥‥」
瑠羽奈 「出来るかぁ〜〜！！！」
唯芽 「ちなみに今週は、かりん先輩がトップだったんで、桃太郎、悔しがってましたよ。
『来週こそアイツには負けねぇぜ！ 強敵と書いて、『とも』よ！！』 ‥‥って、言ってました」
かりん 「‥‥‥い、いつの間にか、そんなライバル関係が築かれていたとは‥‥。
下手な因縁をつけられない様に、校内での戦闘は控えた方が良いようですね‥‥」
沙夜 「でも、想いを寄せてる人に、急接近だって。 良かったね、静乃ちゃん」
静乃 「え？ ‥あ、あはははは。 そ、そうですね。
でも、お守りがラッキーアイテムかぁ。 しかも、プレゼントに最適なんだ。 ‥コレは、瑠羽奈さんにあげれば良いのかな？」
瑠羽奈 「それは、あたしのアンラッキーアイテムだっての。 あたしの恋路を、邪魔するつもり？」
瑞希 「‥‥他にも、静乃ちゃんを好きだって人が、現れるんだって。 ‥‥心当たり、あるの？」
静乃 「あっ、いえ。 ゼンゼンありませんけど‥‥‥」
沙夜 「じゃあ、これから出会う人なんだね。 ‥‥でも、特殊な趣味を持ってるって、何だろう？」
瑠羽奈 「ほら、アレじゃない？ 中学生に想いを寄せる、アブナイ人ってコトじゃないの？
体操服とか、スクール水着とか着せられたりして‥‥そんで、あ〜んなコトとか、こ〜んなコトとか‥」
瑞希 「‥‥巫女服に魅せられて‥‥ってコトも、あるかもね‥」
静乃 「‥‥‥な、なんだか、悪寒が‥‥‥。
‥‥‥‥‥‥さ、様々な困難があっても、本命狙いで頑張ろう‥‥私‥‥‥‥」
唯芽 「それじゃあ、次は私が行きま〜す！ えっと‥‥どれどれ？
今週の運勢：『小凶』 今週は急成長をする週。 己を鍛え上げるなら、今週しかありません！
今週の注意点：いつも深く考えずに行動するあなたですが、今週は、それが危機を呼ぶかも知れません。
深く考えずに突っ走るのは、止めましょう。
ラッキーアイテムは、ハンマー。 破壊力バツグンです。
アンラッキーアイテムは、包丁。 人前で振り回さない様に！ 人の生死に関わります！
‥‥こんなのが出ましたぁ。 ‥‥って、包丁がアンラッキーアイテムだなんて‥‥」
瑞希 「‥‥さすが、校内・刃物振り回すアンケートで、堂々のトップだね‥。
アンラッキーアイテムは、静乃ちゃんよりもスゴイ結果‥」
唯芽 「でもでも！ ナマハゲの象徴である包丁がアンラッキーだなんて‥‥。
私、ナマハゲ失格って言われてる気がしますぅ‥‥」
瑠羽奈 「まあ、間違いなく言われてるんでしょうね」
唯芽 「‥‥‥しょぼ〜ん‥‥‥‥‥」
沙夜 「る、瑠羽奈さん。 それは言い過ぎですよぉ。
ほ、ほら、唯芽ちゃん、元気出して。 たまたま今週は、包丁を使うと良くない事が起きるだけだよ。 きっと」
唯芽 「‥う、うぅ‥‥そ、そうですよね？ たまたま、今週だけですよね？」
瑞希 「‥‥また来週占ったら、アンラッキーアイテムだけは、同じ結果が出そうだけどね‥‥」
かりん 「でも、唯芽ちゃん。 今週は、急成長の時期みたいだね。 どう？ 特別メニューでもやってみない？
これをやれば、強くなる事間違いなしって言う、特訓方法があるんだけど」
唯芽 「そ、そんなのがあるんですかぁ！？ は、はい！ ゼヒお願いしますぅ！！」
かりん 「うん、分かった。 それじゃ、酒場に登録しておくから。 頑張ってね」
唯芽 「‥へ？ さ、さかば？ ‥‥‥な、何だか良く分からないですけど、ガンバリマス！！」
沙夜 「ゆ、唯芽ちゃん、もうチョット考えた方が‥‥。
酒場なんて、中学生の唯芽ちゃんにはマズくないのかな？」
かりん 「はい、心配は要りません。 酒場と言っても、お酒を飲むだけの所ではありませんから。
待ち合わせの場所として、重宝されているお店です。 騎士道部の敷地内にあるので、危ない事もありません」
沙夜 「が、学校の敷地に‥‥‥‥酒場があるの？
‥‥そ、それって、なんか色々問題がありそうな‥」
かりん 「いいえ。 狼藉を働く者は、騎士道部の先輩方が取り締まっていますから、治安はかなり良いです。
問題はありません」
沙夜 「‥‥そ、そう言う、問題なのかなぁ？」
瑞希 「‥‥ちなみに、どんな特訓をするつもりなの？」
かりん 「実は、騎士道部の敷地には、地下への入り口があるんです。
そして数人でパーティーを組み、そこを拠点とする悪の魔法使いと、その者が召還したモンスターを倒す特訓です」
沙夜 「あ、悪の魔法使いぃ！？ こ、この学校の地下には、そんなのがいるのぉ！？」
かりん 「はい。 何でも、王様が所有していた魔法の護符を盗み出し、それを使って世界征服を企んでいると聞きました。
かなりの強者らしいですね」
瑞希 「‥‥魔法の護符‥‥‥‥もしかして、最下層にいて、ワー○ナって名前なのかな？ 魔法使いは‥‥」
かりん 「あっ、お詳しいですね。 私も、そう聞きました」
瑞希 「‥‥やっぱり、一作目‥‥‥知ってる人なんてホトンドいないのに‥。 知ってても、忘れてるだろうし‥。
‥‥もしかして、次回のドラマＣＤ？は‥‥ウイ○ードリィ特別編？」
瑠羽奈 「てか、あんたもやったの？ その特訓っての」
かりん 「はい、騎士道部の先輩とパーティーを組み、何度か地下に潜りました。
私は、ロードのクラスとして全力で戦いましたが、敵や罠も数多く‥‥未だ、魔法使いの所まで、到達していません」
静乃 「‥か、かりん先輩でも、そんな苦戦するんですか？
それじゃ、いくらナマハゲとは言え、唯芽ちゃん‥‥危なくないですかぁ？」
かりん 「うん、そうだね。 だから、特別特訓なんだよ。
途中で死んじゃう人も多いけど、その点は大丈夫。 騎士道部の敷地には教会もあって、そこで生き返らせてくれるから」
沙夜 「こ、この学校、教会まであったの！？ ‥あ、あたし、初耳だよ！？」
かりん 「敷地の、奥まった場所にありますから。 確かに、気付かれない方もいるかも知れませんね」
沙夜 「‥‥お、奥まってるとか、そ〜ゆ〜問題じゃないような‥‥‥。
と言うか、生き返るから死んでも良いとか、そ〜ゆ〜問題でもないし‥‥‥‥って、その前に、生き返るの？」
瑞希 「‥タブン、カント寺院だね、それは‥‥。 確か、何割かの確率で、生き返らせるの失敗してたような‥‥」
唯芽 「‥‥‥‥‥と言うか、死んじゃう特訓だったんですかぁ？
‥か、考え無しはマズイって‥‥占い通りですぅ」
瑠羽奈 「‥って、ズイブン話がズレてるけど‥‥後、占いを発表してない子は誰？」
沙夜 「あっ、あたしです。 じゃあ、早速発表しますね。 えっと‥‥‥。
今週の運勢：『大凶』 嫌いな人からキスをせがまれたり、好きでもない人に肩を抱かれたり、ロクな事がない週です。
ただ、良いことも多少あるので、運命と思って諦めて下さい。
今週の注意点：とにかく、良くない事が起こりそうです。 ですが超然として全てを受け入れれば、幸せへの道が開かれるかも。
特に運動会はチャンス！ 全力で当たりましょう。
ラッキーアイテムは、カレー。 好きな人に作ってあげましょう。
アンラッキーアイテムは、クマのぬいぐるみ。 もし意中の人からプレゼントされたら、もう運命は決まってしまった様なもの。 ‥但し、悪い方へ。
絶対に受け取らない様に気をつけて！
‥‥って、大凶‥‥」
静乃 「さ、沙夜先輩、落ち込まないで下さいよ。
‥ほ、ほら！ 悪い運勢の場合、上へ上がるしかないって言うじゃないですか！ だ、だから、これから良い事がありますよ」
沙夜 「‥‥だ、大凶なんて、初めて見たよ！ なんてラッキー！
コレで見てない運勢は、極吉、極凶、死凶だけ‥‥。 死凶は、毎週占ってれば、その内見れるし‥あと２つが問題だね」
瑞希 「‥‥‥落ち込んでは、いないみたいだね」
かりん 「‥にしても、死凶までも望まれるとは‥‥。 さ、沙夜さんが、そこまで占い好きとは知りませんでした」
沙夜 「あっ、うん。 昔は大して好きじゃなかったんだけどね。
でも、この前功司君とゲームセンターで占いしてから、ちょっとハマっちゃった」
唯芽 「でもでも、悪いコトの方が多そうですけど‥‥キスされそうになったり、肩を抱かれたりとか‥」
沙夜 「うん、そうだね。 でも、さっき言ってたでしょ？ 当たるも八卦、当たらぬも八卦って。
だから、悪い占いのコトを気にしてもしょうがないよ」
静乃 「でもそれじゃ、占いってあんまり意味ないですよね？ 結局、どうなるか分からないんじゃ」
沙夜 「確かにそうだけど、占いを見て、未来にはこんなコトがあるかもって、考えるのが楽しいじゃない。
ほら。 今日起こった悪いコトより、明日起こるかも知れない良いコトを考えて生きてた方が、楽しいでしょ？」
かりん 「‥沙夜さん、ご立派です。 その、見事なまでのポジティブな生き方‥‥素晴らしいです。
きっと沙夜さんの様な方には、幸せが訪れるでしょうね」
沙夜 「そう？ ふふっ、ありがと」
瑠羽奈 「‥頭の中が幸せ‥‥って風にも取れるけどね、それって。 ‥ま〜良いけど。
それじゃ、コレで全員、運勢の発表は終わったワケね？」
静乃 「えっと‥‥そうみたいですねぇ」
瑠羽奈 「じゃあ、順位を付けないとね。 えっと‥運勢の良い順だっけ？ みんなが違う運勢になったの？」
瑞希 「‥うん。 見事に全員、運勢が別れたみたいだけど‥‥」
瑠羽奈 「そっ。 それじゃ、イチバン運勢が良かったのは？ あたしの中凶で良いの？」
静乃 「‥沙夜先輩とは違う、ポジテブさですね‥‥。 まさか、中凶でイチバンと言い切るなんて‥」
瑠羽奈 「なによ〜、良いじゃない。 最後まで希望を持ったってさ。
んじゃ、誰なのよ？ イチバン良い運勢だったのは」
かりん 「‥‥あ、あのぉ‥‥‥とても、申し上げにくいのですが‥‥」
沙夜 「どうやら、神瞳さんの大吉がイチバンだったみたいですね。
サスガ、神瞳さん。 今週は、ツキまくってるね？」
かりん 「あっ、はい‥‥ありがとうございます‥」
瑠羽奈 「‥‥‥神瞳かりんが、一位？ ‥‥んじゃ、あたしは？」
瑞希 「‥順番に言うとね‥‥１位は、神瞳さんの大吉。 ２位、静乃ちゃんの中吉。 ３位が私の、吉‥‥。
それで、４位が唯芽ちゃん‥５位が瑠羽奈さんの中凶‥‥最後が、沙夜さんの大凶‥‥こうなったみたい」
瑠羽奈 「‥‥‥‥あ、あたし、ビリから二番目！？ そ、それじゃ、総合得点は！？」
唯芽 「えっとぉ‥お師匠さまが、全部トップで２５点。 ２位が春日先輩で、１６点。 ３位は瑠羽奈さんの１４点。
それでそれで‥‥あっ！ ４位と５位が、私と静乃ちゃんで同着の１０点ですぅ！」
沙夜 「ふふっ、良い勝負してるね？ それで最後は、０点のあたしですね。
うん。 ココまで０点が続くと、なんか逆に気持ちいいよね？」
かりん 「‥ほ、本当にポジティブな方なんですね、沙夜さんは‥‥。 羨ましいです‥」
瑠羽奈 「って、神瞳かりんが、またトップぅ！！？？
‥こ、これで、あたしとの差が５点以上になったから‥‥次の最終試合でトップを取っても、勝てないじゃん！！」
瑞希 「‥‥２位の私でも、勝てないもんね‥‥。 もう、神瞳さんの優勝は、これで決定‥‥」
瑠羽奈 「そ、そんなのアリ！！？？ こんな、ゲーム初心者が、ダントツトップだなんて！！
なんか、策略を感じない！！？？」
瑞希 「‥‥確かに、作者は神瞳さんファンみたいだけど‥‥‥その策略って言いたいの？」
沙夜 「‥‥‥さくしゃさん？」
かりん 「‥‥あ、あの‥‥い、色々と、申し訳ありません‥‥」
瑠羽奈 「‥なんか、謝られられると、逆に腹が立ってくるんだけど‥‥。
でも、優勝が決まったんなら、これ以上やってもしょうがないね。 ‥‥もう、これで止める？」
唯芽 「ダメですぅ！！ まだ、静乃ちゃんとの勝負がついてません！」
沙夜 「あっ、そっか。 同点だったもんね、確か」
唯芽 「はい！ このままじゃ、この前の屈辱は晴らせません！！
今度こそ、ナマハゲ一族のホコリと名誉に賭けて、静乃ちゃんにギャフンと言わせてみせますぅ！！」
静乃 「‥そ、そんな大層なモノを賭けなくても‥‥。 ギャフンくらい、いつでも言ってあげるよ？」
唯芽 「あ〜！ やっぱり上から見てますぅ！！ なんか、憐れんでますぅ！！
絶対、絶対、ぜ〜〜‥‥ったい！！ 静乃ちゃんには負けられません！！！」
静乃 「だ、だから、そんなコトはないんだけどなぁ‥」
瑠羽奈 「まあ、それじゃ、しょうがないな。 次のゲームを始めよっか。
‥‥‥優勝も決まっちゃって、ゼンゼン盛り上がらない、消化試合みたいなゲームをね‥‥」
かりん 「‥あうぅ‥‥。 ほ、本当に、申し訳ありません‥‥‥」
・・・続く
戻る
次のページ