『Ｍｉｓｓｉｎｇ　Ｂｌｕｅ』　ドラマＣＤみたいなもの　〜　特別編４　〜　プロローグ　



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放課後。　女性４人が集まっている、とある部屋にて…。



瑠羽奈「みんな集まったー？　んじゃ、説明するよー。
　今晩、ちょーっとテストをするから。　みんな、ココロの準備をしといてね。
　
　そんじゃ、そーゆーコトで」




沙夜「る、瑠羽奈さん……ち、チョット待ってクダサイ。
　イキナリそれじゃあ、ナニがなんだかサッパリ……と言うか、前にもこんなコトがあったような…」


かりん「は、はい。　確かに、ありましたね」


瑞希「…うん。　あれは確か、新しい世界を創るとかなんとかで…」




瑠羽奈「あら、ちゃーんと覚えてんじゃん。　今回も、そーゆーコトよ。
　また新しい世界を創ったから、ちょーっとテストして欲しいの」



沙夜「て、テストって……また、その世界で暮らして欲しい…って言うんですか？」


瑠羽奈「うん、そーだけど……なによ、その嫌そーな顔は」



瑞希「…それは、嫌そうな顔にもなると思う…。　だって、この前の世界ではスゴク苦労したし…」


かりん「それに最後など、牧村さんが暴走して、あわや大惨事になりかけました。
　あのような危険なテスト、私は反対です」



瑠羽奈「あー、それなら心配いらないよ。　今回のテストには、功司は連れてかないから」



沙夜「あっ、そうなんですか？　でも、それじゃテストにならないような…。
　功司君が、新しい世界を怖がらないか……の、テストでしたよね？」



瑠羽奈「んーん、違うよ。　今回は、純粋に世界がちゃーんと動くかのテスト。
　前回のテストで、功司の適正は大体分かったからね。　もうソレは良いの」



瑞希「……前回のアレで、何が分かったの？」



瑠羽奈「取り合えず、功司のアバウトさだけは分かったよ。
　まっ、あれだけノー天気な性格なら、どんだけ世界が変わっても問題ないっしょ」


かりん「そ、そんな、乱暴な…」




沙夜「あっ…でも、確かにそうかも。　功司君、スゴク世界が変わっても、普通に溶け込んでたかも」


瑞希「…まあ、順応力は結構ある方だと思うけど。
　なにせ、騎士やらナマハゲやら、露出狂のサキュバスやらを、受け入れられるんだから…」


瑠羽奈「最後のは違うっ！！」




かりん「私も、牧村さんの懐の深さは知っています。
　ですが、それでも乱暴なのには変わりません！　私は反対です！」



瑠羽奈「なによー、乱暴でもないんでもないわよ。
　ホントに乱暴なら、ぶっつけ本番でイキナリ世界を変えてるって」



かりん「そ、それはそうですが…。　それ以前の問題として、新しい世界が必要ないと思いますっ」



瑠羽奈「だからぁ…それもこの前、説明したでしょ？　新しい世界が、どーしても必要だって、ジックリとさー」




瑞希「ジックリと……説明されたね、そう言えば…」


沙夜「う、うん…。　とても瑠羽奈さんらしい一言だったよね、あれは。
　たった一言……『飽きた』…って」



瑠羽奈「なによ、文句あるの？」



かりん「文句なら山ほどあります！　この世界は、牧村さんの想いが詰まった世界です。
　それを、瑠羽奈さんの気分一つで変えられてしまっては、牧村さんがお可愛そうです！」



瑠羽奈「そーんなコトないって。　新しい世界だって、あの子の想いが詰まりまくってるのよ？
　それを否定するってコトは、あの子の想いを否定するコトだし。　ソコんトコ、どーよ？」



かりん「そ、それは……で、ですがっ！！」




沙夜「ま、まあまあ、二人とも…そんなに熱くならないで…」


瑞希「…うん。　神瞳さんも、落ち着いて。
　どうせ……口では瑠羽奈さんに勝てないから…」



かりん「ううぅ…自分の不甲斐なさに、腹が立ちます…」





瑠羽奈「やーっと納得してくれた？　んじゃ、今晩またテストするからね。　抵抗とかしないよーに」




かりん「…ふぅ。　納得は出来ませんが…牧村さんに被害が及ばないのでしたら、今回は妥協しましょう。
　その世界が安全かどうか、厳しくチェックしたいと思いますっ」



瑞希「まあ…チェックするまでもなく、とても危険な場所の様な気がするけどね」


沙夜「前回が前回だったもんね…。　あっ、ところで瑠羽奈さん。
　今回は、ここのメンバーだけでチェックするんですか？」



瑠羽奈「あー、ううん。　静乃ちゃんと唯芽ちゃんは、もう先にテストを始めてるよ。
　あたし今回は裏方だから、そっちに顔出さないし……つまり、総勢５人ね」


瑞希「……裏方？」



瑠羽奈「そーよ。　前回、イロイロ大変なコトがあったでしょ？
　あーゆー問題が起こった時、裏方の方が対処しやすいのよ」



かりん「なるほど…。　サスガの瑠羽奈さんも学習したのですね。　その点だけは、評価しておきます」


瑠羽奈「…なんかエラソーね、あんた」




沙夜「でも、５人だけですか…。　前回、あれだけ苦労したのに、人数が減ったら…。
　今回は、命先生とかは呼ばないんですか？」



瑠羽奈「まーね。　みこピーと、ひやま……花乃香だっけ？　あの子は呼ばなかったよ」


沙夜「何でですか？　人は多い方が良いのに…」



瑠羽奈「んー？　正当な審査の結果ってヤツ？
　まあ簡単に言えば…その二人、前回は役立たずだったから」

沙夜「ひどっ」



瑠羽奈「てかね。　あんま人が多くても、あたしがイロイロ大変なのよ。
　…それに、書く方も大変だしね」


かりん「……書く方…ですか？」




瑠羽奈「まあ、安心して。　今回は、前より少し狭い世界だから。　５人でも、なんとかなるでしょ」


沙夜「広くても狭くても、人数は多い方が良いですけどぉ…」



瑞希「…でも確かに、花乃香さんなんかは、全然役に立たなかったし…。
　いてもいなくても、あんまり変わんないかも？」

沙夜「コッチも、ひどっ」




かりん「ま、まあ、人数が少ない分は、私達で頑張りましょう。
　静乃ちゃんと唯芽ちゃんは、先にテストを始めているのですよね？」



瑠羽奈「うん、そーよ。　アッチは、時間の流れが違うから……んー、そうね。
　もう数か月くらいは、アッチで過ごしてるコトになるかな？」



沙夜「す、数ヶ月…。　それはまた、ズイブン長いですね」



瑠羽奈「まーね。　かなり頑張ってるみたいだから、色々ともうレヴェルが違うわよ。
　あんた達、かなり出遅れてのスタートになるわねー」



かりん「それは構わないでしょう。　その二人も仲間です。
　先人がいた方が、こちらとしても有難いですね」


瑞希「…そうだね。　その二人に、イロイロ情報を教えてもらえれば…コッチも楽になるし」




瑠羽奈「んー、あんま当てにしない方が良いよ？
　あんた達が現れる場所は、全部ランダムだし。　情報を聞きたいなら、自力で探し出さないとダメだしね」



沙夜「…ってコトは、今回もバラバラですか？
　で、できれば最初から、皆で一緒に行きたいんですけど…」


瑠羽奈「それは無理よ。　今回は、そーゆー仕様で創った世界だから」



瑞希「仕様…それならしょうがないね。　どう足掻いても、私達じゃ仕様には勝てないし…」


かりん「そ、そうなのですか？」



瑞希「…うん。　仕様で決まっちゃったモノには、絶対に逆らえない…。
　ボタンが押せないのは仕様…ディスクが飛び出すのも仕様…液晶に気泡があるのも仕様…とか。
　Ｓ○ＮＹなんかが得意な単語なんだけどね」



沙夜「…それ。　伏字になってるよーで、なってないよ？」


かりん「…あの。　ボタンとかディスクとか言われても、良く分かりませんが…。
　具体的には、どう言う事なのでしょう？」




瑞希「ん……例えば、神瞳さんが料理ベタなのとか…。
　沙夜さんの胸が、とてもこじんまりとしてるのとか…かな？」



かりん「わ、私が料理が苦手なのも、仕様のせいだったのですか？　…し、仕様、恐るべしですね！」


沙夜「………と、とてもこじんまり仕様………」




瑞希「静乃ちゃんの眉が太いのも仕様だし、唯芽ちゃんのホッペに、ぐるぐるが付いてるのもそう。
　…そして、瑠羽奈さんが露出狂なのも仕様…」

瑠羽奈「だから、それは違うっ！！」



瑞希「……瑠羽奈さんが、ドチラかと言えば羞恥心が薄い方なのも仕様…」

瑠羽奈「言い直しても、同じよーな意味だし！！」




瑞希「…などと、私がボケるのも仕様ね…」


沙夜「…それって、ドラマＣＤの中ダケの仕様っぽくない？」





瑠羽奈「…てーか、スンゴイ話がズレてるし。　要は、あんた達が旅をすりゃ良いのよ。
　そーすりゃ、世界のチェックになるし、運が良ければ他の子にも会えるでしょ？」



かりん「…分かりました。　要は、とにかく世界を巡れ…と言う事ですね。
　ちなみに、いつまで旅を続ければ良いのでしょか？」



瑠羽奈「そりゃ決まってんじゃん。　その世界での、クリア条件を満たすまでよ」



沙夜「く、クリア条件……って、またですか？　ま、また、ラスボスさんがいたりするんですか？」



瑠羽奈「あったり前じゃん。　新しい世界をナンだと思ってんのよ？」




瑞希「…何一つとして情報が無いから、どう思えばイイかもナゾだけど…。
　と言うか、ボスがいるなら、やっぱりモンスターもいるの？」


瑠羽奈「うん、いるみたいよ。　静乃ちゃん達、戦ってたからねー」



かりん「と言う事は……また、向こうの世界で死んでしまったら、こちらのせ階でも死んだ事になると？」



瑠羽奈「んーん、心配しないで。　今回は、あたしが裏方をやってるからねー。
　あんた達がモンスターにヤラれても、チャーンと復活させてあげるよ。　んーで、一言ね。
　
　『おお春日瑞希よ。　死んでしまうとは情けない』」




瑞希「……死ぬの、私だけ？」


沙夜「……と言うか、死ぬ前に助けて欲しいんですけどぉ…」





　〜　続く　〜



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