幻想から真実へ 〜かりんとの運命の再会〜
俺はあれから３ヶ月後、退院して・・・、そして外の公園で姫騎士様の絵本を読んでいた。
あの絵本の最後・・・。
「いつか・・また ・・きっと・・会えることを・・」
これは俺にとって絵本の中でかりんとまた会えるということだったのか？
違う、俺には分かる・・・。かりんとはまた会える。
目の前でまた会える・・・。俺はその時まで待つ。たとえ無駄だと分かっていても・・・。
「無駄じゃあありませんよ・・・。信じればまた会えます。」
俺はギョッとした。
「すいません、おどろかせたみたいですね・・・。」
「それより俺の心でも読んでいたのか？」
「そんなのねえ、あんな大きな声で独り言を言えば誰だって聞こえるますよ。今は僕しか公園にいなかったから良かったものの他の人がいたら恥かしいですよ。」
俺は顔を真っ赤にした。
「そ、それより、あんたは・・・。」
「ん、僕のこと？僕は旅の占い師とでも言っておこうかな？」
「占いの押し売りか？いらないぞ、そんなもの。」
「まあ、牧村くん、待ってください・・・。」
俺は気がついた・・・。
「俺の名前を何故知っている・・・。」
「簡単なことです。あなたのかばんに書いてあります。」
こいつに拍子抜けした。
「まあ、落ち着いてください。これも何かの縁です。ただで占って差し上げましょう・・・。」
「いいのか？」
「いいんですよ。もう占うことは分かっています。あなたの思う人に再会できるかでいいのですよね？」
俺はうなずいた。
その占い師は水晶を持って語りかけた。
「いいですか？普通の占いは、占い師が勝手に人の人生を決めるような占いですが私の場合は違います。
未来とは無限にあるのだからどんな占いもかならず正しいわけではありません。
私の占いはどうやったら行きたい未来へ進む道へ行けるのかを教えるだけです。
あなたの場合はまた会える道があると思います。」
「ど、どうすればいいんだ？かりんと再会するにはどうすればいいんだ。」
そしたら男はにっこりと答えた。
「まずは会えると信じることです。信じればまた会えると思います。次に恐れずに戦う勇気を持って戦うことです。」
俺には分からなかった。
「そして、その絵本を大事に持ってください。もし願いが叶わなければきっとこの世界も崩壊するでしょう・・・。」
そして、謎の言葉を告げた男は風のように去っていった。
なんだったんだ、一体・・・・。
俺はそう思いつつも、男の後を追わず家にまっすぐ帰った。
俺はかりんと再会できないと思いつつもあの男の占いを信じたかった。
だが、最後の台詞、この世界も崩壊する。どういう意味だ？
次の日、俺は早く起きた。今日は日曜日だった。
もう眠れないからしかたない、散歩でもするかと思った。
リハビリもある程度おわり普通の生活にはなんも問題なかった。
俺は何気なく散歩してそしてアーケードの方をうろうろしていた。
そして帰り、すごいことに気がついた････。
「そ、そういえばあのアーケード、幻想世界の物だぞ････。」
その時、空の色が茶色くにごっていた。あの時と同じだ････。
そしたら、瑞希と静野が俺のところへ駆けて来た。
「牧村君････。大変なことになったみたいね･･･。」
「お兄様･･･。現実と幻想が混ざり合ってしまったみたいです。
いったいこれは････。」
俺は昨日の占い師の言っていたことが分かった。
かりんと再会できなければ俺の幻想世界みたいになってしまうことを・・・。
「２人とも、明日学校で話し合おう。」
２人はコクッとうなずいた。そして３人はその場所から解散した。
俺は帰り道、姫騎士様の絵本を開いてみた。そこには出ているはずの仮面の魔道士が消えていた。
俺は確信した。絶対アイツだと･･･。
その日の夜、俺は夢を見た･･･。
（まずは会えると信じることです。信じればまた会えると思います。そして次に恐れずに戦う勇気を持って戦うこと。）
（そして、その絵本を大事に持ってください。もし願いが叶わなければきっとこの世界も崩壊するでしょう・・・。）
どっかで聞いたことがある言葉だ･･･。そして、
「牧村さん･･･。いつか・・また ・・きっと・・会えることを・・。」
懐かしい声でそう聞こえた。
次の日、朝の４時半、早く着替えて早く学校へ向かった。嫌な予感がしたからだ。
俺はかばんに絵本と果物ナイフを入れて学校へ向かった。
やはり学校もそうだった。幻想世界の学校の姿のままだった。
「現れろよ、仮面の男････。」
俺はそう叫んだ。やはりそうだった。仮面の男は俺の目の前にフッと現れた。
「ふぅ、やれやれ、あの人形に魅入られた俺を見るのは情けない････。
俺は腹が立った。
「かりんは人形なんかじゃない。」
「まあ、私も彼女に感謝しなければなりませんからね。」
「あなたの心の中に逃げ延びていた私はあなたの思う心、つまりあの人形に会いたいという気持ちがあったために私はあなたの現実にもいられるようになったのですよ･･･。」
悔しかった。かりんに会えると信じきったせいでこんな風になってしまったのか・・・。
あの占い師の言葉は嘘だったのか･･･。
「いえ、会えると信じてください･･･。」
そこにはあの占い師の男がいた。
「貴様、何者だ・・・。」
「僕はただの占い師ですよ。」
「ふざけるなぁ。」
仮面の男は手から白い雷を放った。だが占い師はひらりとよけた。
すげえぞ、あの占い師・・・。
「牧村君、最初に言ったあの言葉を思い出してください。」
俺は思い出してみた。
選択技
１、（まずは会えると信じることです。）
２、（恐れずに戦う勇気を持って戦うことです。）
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